購買心理テクニック

今回も前回、前々回に引き続き、セールスや広告で使える購買心理トリガーをご紹介いたします。

リンキング

リンキングとは、お客さんがすでに知っていることや理解していることと、あなたの商品とを結びつける心理テクニックです。無名の商品やサービスでもお客さんがすでに知っているものとリンクさせることで、理解してもらいやすくなり、また、親しみをもってもらいやすくなるのです。

これは何かの流行やニュースにからめて商品を販売するときなどによく使われる手法です。
たとえば、「あのテレビ番組で話題になった商品はこれです」といって販売するようなのがリンキングです。

ただし、流行やニュースがなければこの手法は使えないということではありません。
新しい商品やサービスを売るときにこそこのテクニックを使うべきなのです。つまり、新しい商品やサービスでもお客さんになじみのあるものと結び付けて認識してもらうことで、お客さんはなにも考えずにその商品を理解することができるのです。

また、その新しい商品やサービスが今までのものより改良されてよくなっている場合は、より付加価値がついたものなので、それをアピールするために今までの商品やサービスと関連付けて販売しなければならないです。

バンドワゴン効果(集団帰属欲求)

バンドワゴン効果とは、人がなんらかの集団に帰属したいと思う心理効果です。人間はもともと社会的な生き物なので、意識的にも無意識的にも集団に属したいという欲求をもっているのです。商品やサービスの購入に関して簡単にいえば、「自分が所属したい集団のみんなが持っているから自分も欲しい」という心理です。

マーケティングにおいてこの強力な心理トリガーを使うためには、あなたの見込み客がどんな集団と結びつきをもちたいと思っているかを考えなければなりません。

たとえば、メルセデスベンツを買うお客さんは、意識的か無意識的かは別としても、「お金持ち」という集団に帰属したいからベンツを買うのです。
あなたの見込み客はどんな集団(グループ)にあこがれていますか?年齢、階級、性別、地理、政治、教育といったカテゴリーで見込み客を分けてみると集団を見つけやすいです。
また、どんなニーズやウォンツがあるからお客さんはその集団と結びつきたいと考えているのですか?冒頭に書いた人間の欲求のどれを満たしたいのでしょうか?

お客さんが属したいと考える集団がわかれば、その集団に属する方々に共通する特徴はどんなものかを見つけなければなりません。
その特徴がわかったら、次にその特徴とあなたの商品やサービスと関連づけることができないかを考えます。
そこが見えれば、ターゲットとするお客さんにどのようにセールスすればいいか、どのような宣伝文句なら心をわしづかみにできるかがわかるでしょう。

【具体例】
★最高の画質で迫力ある映像を楽しみたい人のための60インチ4Kテレビ
★清潔好きで成分にこだわりたい人のためのアルコールスプレー
★年収1,000万円以上になりたい人のためのマーケティング講座
★流行に乗り遅れたくない女性のためのブティック
★愛妻家が奥さんにプレゼントする指輪

スノッブ効果

スノッブ効果とは、他人と違うものが欲しいという心理がはたらくことによって、簡単に入手できるものは需要が減少し、入手困難なものは需要が高まるという消費現象をいいます。
簡単にいうと、「誰でももっているものではないから欲しい」という感情です。
他人に勝りたい、優越感に浸りたい、特別扱いされたいという欲求のあらわれです。

上に書いたバンドワゴン効果とは逆の心理です。
あなたも希少価値の高い商品やサービスを欲しいと思ったことってありますよね?
人は限定品や希少価値の高いものを欲しがるのです。
たとえば、数量限定のジーパンとか、初回限定握手券付きDVDとかいろいろありますよね。

また、スノッブ効果と似たものにヴェブレン効果というのもあります。これは、価格の高い商品やサービスを購入すること自体に特別な欲求をもつ心理であり、自己顕示欲のあらわれです。いわゆるブランド志向というやつです。
これは、「高級品であるがゆえに誰もが持っていない、だから欲しい」という感情です。

あなたの商品やサービスも限定性や希少性、高級感をアピールすることによって、お客さんに欲しいと思ってもらえるようになります。

【具体例】
★販売数量を制限する
★オリジナルな商品にする(有名人のサイン入りなど)
★商品の生産そのものを少なくする
★通常よりも高級ランクの商品を売る

損失回避の法則

損失回避の法則とは、人は利益を得られることよりも、損失を回避することの方を重視するという心理法則をいいます。
たとえば、確実に貰えるはずだった1万円がもらえなくなるのと、今財布に入っている1万円がなくなるのとではどちらがイヤですか?おそらく後者の方がイヤですよね?
自分の大事なものを失いそうになったときに人はいちばん危機感を感じます。

したがってセールスにおいては、その商品やサービスを購入することによってお客さんが得られる利益をアピールするよりも、お客さんが購入しないことによって失う利益をアピールする方が購入してもらいやすくなるのです。

ただし、注意しなければならないのは、ただ単に不安を煽るだけのセールスではダメということです。不安を煽るだけだとお客さんを不快な気分にさせるだけで購入はしてくれなくなるからです。
したがって、不安を生じさせたあとに、きちんとその不安を取り除くことができることを伝えて下さい。

【具体例】
★太ったままだと成人病や生活習慣病のリスクが高まるんです。でも、この商品を購入するとあなたは痩せられて自分に自信も持てるようになります
★正しい広告の書き方を知らないとお金をドブに捨てることになります。でも正しい広告の書き方を知れば集客で悩むことはなくなります。

ザイオンス効果(単純接触効果)

ザイオンス効果とは、同じ人やモノに接する回数が増えるほど人間はその人やモノに対して好印象を持つようになるという心理現象です。何回も接していると自然と親近感をもつようになるのです。
マーケティングにおいてはテレビCMが典型的な例です。

この心理効果のポイントは、好印象をもってもらうためには接触「回数」が多くなければならないということです。たとえば、ある人と3時間連続で1回だけ一緒に過ごすよりも、1時間ずつ3回一緒に過ごす方が親近感をもちやすいのです。(これであなたも気になるあのコをおとせますね!)
つまり、お客さんが商品やサービスと接触する回数をいかに増やせるかが重要なのです。

また、その接触はなにもリアルでなくてもいいのです。メディアを通してとか、メールでとか、電話でとか何でもいいのでとにかく接触回数を増やすことです。
そうすればお客さんはあなたの商品やサービスに好印象をもつようになり、購入してくれやすくなるのです。

ただし、注意しなければならないのは、もしお客さんがおなたの商品やサービスに対して一番最初に悪い印象をもってしまった場合です。そのような場合には、単純に接触回数を増やすと逆に悪い印象を増幅させることになりかねません。
したがって、接触回数を増やす前に、まずはその悪い印象を取り除いて信頼回復につとめることが必要です。

【具体例】
★興味をもってもらったお客さんに定期的にメッセージを送る(ステップメール、メルマガ、LINE@)
★お客さんのもとへ定期的に訪問する
★次回使える割引券を毎回渡す

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回もセールスや広告コピーで商品を買ってもらいやすくするために参考となる購買心理テクニックをご紹介いたしました。

あなたの売上アップにお役に立てると幸いです!